僕、悪い子。

子育ての心理学

こんにちは。心理カウンセラーの村治 麻衣です。

秋になり、息子の通う保育園ではどんぐり拾いが行われました。

大喜びでどんぐり拾いから帰ってきた息子に起きたある出来事から、子供の心の傷、罪悪感について大切な気付きをお話ししたいと思います。

その日保育園へ迎えに行くと、袋いっぱいに詰めたどんぐりを私に見せ、得意げな顔で「こんないっぱい拾ってきたよ!」と報告してくれた息子。

「すごいね!!こんなにいっぱい拾ったんだね!」と私も一緒に喜びながらも、同時に、ある不安がよぎりました。

こんなにいっぱいのどんぐり、、、家に持って帰ってどうするんだ??え、てか、これ、虫とか大丈夫??いや、絶対ヤバイ。

そう思って速攻で先生に聞いてみました。するとやはり先生はプロ。

「やっぱりそのまま放っておくと虫が出てきますー。水に浸けて浮かんできたやつは中の実が食べられて虫がいる可能性があるので捨てちゃって下さい。沈んだやつは大丈夫です。でも念のため沈んだやつも冷凍庫で2〜3日冷やすと虫も死滅するので大丈夫です。」

との事でした。

おーー!!さすが先生!あざっす!!早速家に帰ったら水に沈めてみよう!

ということで、お風呂に入るタイミングでお兄ちゃんと3人でやってみることになりました。

そしてお兄ちゃんがひとまず袋からどんぐりを桶に入れようとしたその瞬間。

手が滑ってザバーーーっ!!!と全てのどんぐりが湯船の中へ、、、( ̄◇ ̄;)

湯船はどんぐりまみれになり、お湯はドロドロ。葉っぱや木の枝が浮かび悲惨な事に、、、私も、「あーー」と思わず低い声が漏れてしまい、お兄ちゃんはその声を聞いて自分が手を滑らせた事に責任を感じて逆ギレ。「もぉ!!お前がこんなにいっぱいどんぐり拾ってくるからこんな事になったんや!!なんでこんないっぱい拾ってきたんや!!」と、弟を責めまくります。

すると息子は、泣きそうな顔でこう言いました。

「僕、悪い子。」

いっぱいどんぐりを抱えて得意げに笑っていた息子。

みんな喜んでくれると思っていっぱい拾ったのに、自分のどんぐりのせいでお風呂が悲惨な事になり、お兄ちゃんを怒らせてしまった。

大好きなみんなに迷惑をかけちゃうこんな僕なんて、悪い子なんだ。

子供はこんな些細な事で罪悪感を覚えていくのか、、、こんな小さな出来事で、、、。私は衝撃でした。

子供の心は純粋で、大好きな家族を喜ばせたい。そんな思いでいっぱいで、あまりにその気持ちが純粋過ぎて、こんなにも傷付きやすい。

私は息子に「悪い子じゃないよ。〇〇のせいじゃないよ。いっぱいどんぐり拾っていいんだよ。〇〇が楽しい気持ちになってくれたらお母さんもすごく嬉しいんだよ。お風呂入れなくたって大丈夫なんだからね。」そう伝えました。

お兄ちゃんにも、「失敗しても大丈夫だから。お兄ちゃんが悪いんじゃないよ。」と伝えました。

息子たちの罪悪感がどのくらい癒せたのかは分かりません。

心理学を学んでいると、幼少期の心の傷がその後の人生にどれほど大きな影響を与えるかが痛いほどよく分かります。それ故に、子育てをしていると自分の一言が子供達を傷付けてしまうんじゃないかと怖くなる時があります。

だけど、この出来事を通じて気づいた事があります。それは、

子供達は、こんなにも罪悪感を抱くほど、家族の事を愛してくれてる。もちろん、私のことも。

私自身、罪悪感強めな人なので、どうしても受け取る事が苦手でした。でも、子供にとって、お母さんに自分の愛を受け取ってもらえないなんて、どれほど悲しい事だろう。

皆さん子育てをしていると本当に毎日が大変すぎて、タスクをこなすだけでいっぱいいっぱいだと思います。子供に愛情をかける余裕なんてないかもしれません。でも私は思います。

忙しすぎて子供に何もしてあげられなくてたっていい。子供が送るその愛を、ただ受け取ってあげるだけで、十分。

それだけで子供は、自分で自分の存在価値を認め、幸せを感じてくれるんじゃないか。

私は、そう思います。

心理カウンセラー 村治 麻衣

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